骨折におけるCT画像の有要性について
今年5月に当院はマルチスライスCTを導入しました。今回は骨折診断精度向上にCTが果たす役割についてお知らせします。
骨折の診断は多くの場合、レントゲン検査で行われますが、この検査だけで診断が難しい症例があります。当院ではMRIやCT検査を追加して行い、正しい診断に繋げる事ができた経験を重ねています。
レントゲン画像では抽出しにくい以下のような骨折の診断にはCT検査が有用です。
- 手関節や足関節などの小さい骨が重なり合う部位の骨折
- 線状(すじ状)の骨折
CT検査では数分の撮影時間で得た情報を元に、骨を数方向の細かい幅(当院では、最少0.5㎜幅)に分割した画像を造り出す事で、レントゲン画像では診断できない骨折をも鮮明に抽出する事ができます。また3D画像構築処理を行う事で、骨を立体的に360°の方向から診る事もできます。患者様にはこの画像も使って、骨折線の入り方や骨の転位の様子等を解かりやすく説明されて頂いています。